レッドライト療法とは
レッドライト療法(red light therapy)は、近年注目を集めている新しい近視抑制治療法です。
2014年に中国において偶発的に長波長の650nmの赤色光が、過剰な眼軸延長(=近視の進行)を抑制する効果を有することが発見されました。
この赤色光が瞳孔を通って眼底に届き、眼底の血流を促進することで、眼軸の伸びを緩やかにし、近視の進行を抑えると考えられております。
それ以降、中国国内ではレッドライトに対する近視進行予防効果の報告が集積され、2022年にアメリカ眼科学会誌に、レッドライト治療を行うことで、近視進行を1年間で76.6%抑制し、治療スケジュールをしっかり守ることができた方では87.7%抑制した報告が発表され、大きな話題となりました。
治療用機器『Eyerising』について
オーストラリアのEyerising International社が製造する、近視進行抑制治療用のアイライジング(Eyerising)という機器を使用します。
この機器を使用しての治療はRLRL療法(Repeated Low-Level Red-Light therapy)と呼ばれており、この機器を1日2回、1回3分、週5回のぞき込むことで近視の進行を約90%抑えることができたとの結果が報告されております。
ただし、1日の治療間隔は4時間以上空ける必要があり、規定の照射時間、回数を超える使用はできません。
本機器は日本国内では未承認の医療機器です。なお、まだ長期的な検討が必要な部分もありますが、現時点で副作用は報告されていません。(日本では東京医科歯科大学病院が臨床実験を行っています。)
承認状況及び使用状況
Eyerising近視治療用機器は、30か国以上で医療機器として許可されており、全世界で既に15万人以上の小児に使用されています。
- BSIノーティフィボディ ISO13485 2016の適合性認証取得
- ヨーロッパ・CEマーク・クラスⅡa
- イギリス・MHRA(医薬品・衣料製品規制庁)・クラスⅡa
- ニュージーランド・Medsafe(医薬品医療機器安全当局)・クラスⅡa
- オーストラリア・TGA(保健省薬品・医薬品行政局)・クラスⅡa
- 中国・CFDA(中国食品薬品監督管理総局)クラスⅡ
適応
レッドライト療法は、下記のような方が対象になります。
- 年齢3~16歳の近視と診断された小児
- 対象:軽度近視~強度近視眼
また、下記のような場合は、良い適応になります。
- 他の近視進行抑制治療(低濃度アトロピン点眼療法、オルソケラトロジー療法)が難しい方
- 中学生(12歳以上)になっても近視が進行する方
- -6.0D以上の強度近視の方
禁忌
レッドライト療法は、下記のような方は治療できません。
- 斜視と診断された方
- どちらかの眼に視機能異常がある方
- どちらかの眼に眼球異常、またはその他の全身的な異常がある方
- 眼球異常 – 未熟児網膜症、網膜剥離、若年性黄斑変性症、網膜芽細胞腫などの網膜疾患がある方
- 遺伝性網脈絡膜疾患の家族歴がある方
- 瞳孔散大(散瞳)の小児、またはアトロピン、シクロペントラート、トロピカミドなどの瞳孔散大を引き起こす可能性のある薬剤を投与した後
- 低濃度アトロピン点眼治療との併用はできません。
低濃度アトロピン点眼治療は治療開始までの最低2週間前に中止してください。 - オルソケラトロジーとの併用は可能です。
治療の流れ
費用について
(全て消費税込み)
<当院へ支払う費用> 検査費・治療費 |
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初年度 | 初回デモ費 3,300円 視力、屈折検査、眼軸長、 OCT等の予備検査で適応となった患者様 |
治療費・検査費 148,000円 (2人目以降55,000円) デバイス貸与+治療開始後1、3、6か月後の検査費用 |
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2年目以降 | 検査費 5,500円 1来院ごとの検査費用 (※3〜6ヶ月毎の定期検査が推奨されます) |
<メーカーへ直接支払う費用> サブスクリプション料金 |
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サブスクリプションプラン (デバイスの維持管理・製品保証費用) |
毎月払い 8,250円 |
1年分一括払い 89,100円 -10%オフ |
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2年分一括払い 158,400円 -20%オフ |
- サブスクリプション料金のお支払いはメーカーへのクレジットカード払いのみ(JCBは不可)のみとなります。
- お支払い完了後はサブスクリプション料金の返金は受けられません。(返金保証トライアルを除く)
- サブスクリプション料金の支払い手続きでエラー等が出る場合はクレジットカードへお問合せ下さい。
- デバイスを使用の際にはWifi環境(2.4GHz推奨)が必要になります。
副作用
まぶしさ、閃光盲、残像が生じることがありますが、一時的なものです。
残像がある場合は3分間目を閉じてください。5分以上症状が続くことが3回以上確認された場合は使用を中止し、当院にご相談ください。
また、治療中に光過敏症、眼刺激、眼熱傷などの不快感が生じた場合も使用を中止し、当院にご相談ください。
臨床実験において、本治療後に5分以上持続するまぶしさや残像が繰り返され、その後に網膜障害と視力低下をきたした報告があります。(使用者約100,000人のうち5人、0.005%。治療中止数ヶ月後に5名全員が症状回復)
光治療に対する過敏症がある場合に起こる稀な有害事象と推察されておりますが、もしも「治療後に5分以上持続する羞明や残像」の症状が3回以上起こった場合はすぐに使用を中止し、当院にご相談ください。
その他
デバイスの保証について
デバイスの耐用年数、保証期間は製造から5年間です。
この期間内において本製品が正常に使用されているにもかかわらず故障が生じた場合、修理または交換のメーカー対応をさせていただきます。
また、耐用年数を超えても引き続きレッドライト治療の継続をご希望される際には、新品と無償で交換いたします。
以下の事由により故障が発生した場合の修理は、保証の対象外となります。
- 落下、機械的な損傷、水没などの偶発的、または人的な要因などによる故障
- 不可抗力(落雷、地震、火災など)による損害
- デバイスに施されたステッカーの剥がし、こすり取り、または変更があった場合
最終的な保証判断は製造元の判断によります。
治療開始日について
ポータルサイトでサブスクリプション料金の支払い手続きを完了した日付が治療開始日となります。
治療開始日を起点として、「1週」のカウントがスタートします。
治療の時間帯について
治療のタイミングに決まりはありません。治療スケジュールが組みやすい時間帯で計画をしてください。
例えば、下校時に1回目の治療を行い、夕食後に2回目の治療を行っていただくことも可能です。
最低4時間以上の間隔をあける必要があります。
受診医療機関を変更される場合
転居などで受診する医療機関を変更される場合は、デバイスを当院に返却していただく必要があります。
変更をご希望の場合は、次の医療機関が設定する費用のもとで新たにデバイスの貸与を受ける必要がありますので、ご了承ください。
尚、サブスクリプション期間が有効の場合は、メーカーへ依頼し新しいデバイスにデータを引継ぐことが可能です。
短期留学などで海外へ持ち出しする場合
本デバイスは100V~240Vまでの電圧に対応していますので、ほとんどの国で使用することが可能ですが、渡航先のコンセントに対応する変換プラグが必要です。
なお、渡航先への持ち込みが可能かは、事前にご自身で航空会社(旅行代理店)への問い合わせや、各国の制度の確認が必要となります。
回答に時間を要する場合もありますので、期間に余裕を持ってご確認ください。
治療を中断する場合
自己都合で治療を中断する場合、デバイスは当院にご返却ください。
未承認医療機器のため、治療機器の第三者への譲渡、貸与、転売は法的に禁止されています。
治療開始1ヶ月以内であれば初年度治療費・検査費を50,000円返金致します。
それ以降の返金はできませんのでご留意ください。
メーカーへのサブスクリプション料金についても別途に解約手続きが必要です。
お支払い完了後はサブスクリプション料金の返金は受けられません。(返金保証トライアルを除く)
ご家族で機械を共有する場合
デバイス1台につき、最大5名まで共有可能です。
ご家族などで共有される場合、お2人目以降の検査・治療費は55,000円となります。
ご家族で使用する場合も患者様毎にサブスクリプション登録が必要になります。
1アカウント毎に1日2回、4時間おきの使用が可能になります。
その他の質問について
治療に関するご質問は当院までお問合せください。
レッドライト療法については予約制となっておりますので、お電話にてご予約ください。
機器の操作、カスタマーポータルサイト等に関するご質問は eyerising-jp@eyelens.sg へお問合せください。
(カスタマーサポートは販売代理店のシンガポールEye-Lens社が行います。)
ポータルサイトに登録されたユーザー情報(クレジットカード情報は除く)は、メーカーが指定する販売代理店、メンテナンス事業者も閲覧が可能となりますので予めご了承ください。