当院では、低濃度アトロピン点眼薬(リジュセアミニ点眼液、マイオピン)というお薬を一日一回点眼することによって、近視の進行を抑制する治療を行っております。
リジュセアミニ点眼液は、2025年4月より日本で初めて承認、発売された新しい点眼液です。
リジュセアミニ点眼薬は、参天製薬がシンガポールの国立眼科・視覚研究所であるシンガポールアイリサーチインスティテュート(SERI)と共同開発した、アトロピンを0.025%含有した点眼薬です。長期間使用することを想定とした、防腐剤フリーの1日使い切りタイプで安心です。
近視進行による生活の質(QOL)低下や合併症リスクを防ぐため、新たな治療法として注目されています。
日本で初めて承認された近視進行抑制薬であり、特に成長期の子どもたちの視力を守るために開発された点眼薬です。
5~15歳の近視患者を対象とした近視進行抑制用の点眼薬です。国内治験では、調節麻痺下他覚的等価球面度数が-1.0Dから-6.0Dの患者を対象としており、本剤の有効性が確認されています。
また、近視の進行が安定する10代後半まで治療を続ける事が望ましいと言われています。
3年間の使用で近視の進行を軽減させるデータが参天製薬の臨床試験からわかっています。
リジュセアミニ点眼液0.025%−プラセボ切替群の投与36ヵ月後における調節麻痺下他覚的等価球面度数の投与24ヵ月後からの変化量は、プラセボ継続群に対して有意差が認められました。
問題となる副作用はほとんどないことがわかっています。
低濃度アトロピンの副作用は、アトロピンの散瞳効果と調節麻痺効果によるしまぶしさ(羞明)と手元のぼやけがありますので、必ず就寝前に点眼するようにしてください。しかし、濃度が低いため程度は軽く、長時間続かないため、寝る前に使用すれば日中への影響は少ないことがわかっています。
リジュセアミニ点眼液の国内治験の結果では、9.0%(11/122 例)の子が羞明を訴えました。また、一部の子にアレルギー性結膜炎によるかゆみがでることがわかっています。点眼後、まぶしく見えたり、一時的に目がかすんだりすることがあります。
子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。
近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることがありません。
これまで近視は、メガネをかければよく見えるようになるため、大きな問題とは考えられていませんでした。
しかし、最近の日本や世界の研究から、近視が将来の目の病気につながる可能性が高いことがわかってきました。
たとえば、近視がある人は、近視がない人と比べて、緑内障になるリスクは約4倍、網膜剥離は約3倍、黄斑の病気は約2倍になると言われています。
また、病気にならなくても、近視があることで見え方が悪くなったり、日常生活で不便を感じたりして、生活の質が下がってしまうこともあります。
こうしたことから、近視は単にメガネで見えるようにすればよいというものではなく、将来の目の健康にも関わる大切な問題だと考えられています。
私たちが一生よい視力を保ち、目の病気を防ぐためには、子どものうちから近視にならないようにしたり、進行をおさえたりすることがとても大切です。
低濃度アトロピン点眼薬は、近視の進行を遅らせる(眼軸長の進展を抑制する)という点で統計的にも臨床的にも有意義な効果が確認されている治療法の一つです。
アトロピン1%は1960年から、すでに近視治療用に使用され続けています。しかしながらアトロピン1%は下記のような不快な副作用を引き起こします。
低濃度アトロピン点眼薬は、最適な超低濃度(0.01%、0.025%)のアトロピンを配合することにより、近視の進行スピードを効果的に抑えると同時に、アトロピン1%点眼薬のような不快な副作用を回避します。
重篤な副作用の報告はありません。
この薬の本来の作用により、一時的に瞳孔(黒目)が大きくなりまぶしく感じますが、数時間でほぼ正常な状態に戻りますのでご心配ありません。
近視の進行を平均約60% 軽減させる良好な点眼薬と言われております。
まずは低濃度アトロピン点眼液治療について当院にお問い合わせ、ご相談ください。
お子様の視力や目の状態などを検査・診察します。
診療後、ご希望があれば初回処方いたします。
処方後は1か月後に再検査、診察のために受診していただきます。
治療継続となれば、その後は3か月毎の定期検査となります。
本治療は自費診療(保険適応外)です。
リジュセアミニ点眼液0.025% | |
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1箱30本(30日分) | 3,960円(税込) |
マイオピン0.01% | |
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1本 | 3,740円(税込) |
※他に、診察・検査費用がかかる場合がございます。
※保険診療で「近視」を確認させていただいてから、後日処方となりますので、保険証や医療証をお持ちください。
※近視抑制の治療は自費診療となりますので、近視進行抑制以外での診察は別の日に受診していただくことになります。たとえばマイオピン購入の日に花粉症も診察ということは、自費診療と保険診療は同日にできない規則のため、同日に行えませんのでご了承のほどお願い申し上げます。
※患者様の都合で治療が中断になる場合の返金はいたしかねます。医師の判断で中止する場合は個別に対応いたします。